お嬢様、今宵は私の腕の中で。

「わあ……!私、お菓子大好きなの!」



目をキラキラと輝かせた姫乃さんは、テーブルに近付いた。



「こんなに素敵なお菓子、いただいてもいいの?」

「うん。遠慮なく食べて」

「いただきます……!」



語尾にハートがつくほど嬉しそうにして、姫乃さんは席に着いた。



「すずさんも一緒に」

「うん」

「「いただきます」」



姫乃さんは悩みに悩んだ末、ピンク色のマカロンを手に取った。



「いただきます……んー!美味しい!」


顔を綻ばせる姫乃さん。

やはり雰囲気が三春さんに似ている。


その美形を眺めつつ、わたしもフィナンシェを手にとった。


「美味しい」

「私もそれ食べたい!」

「どうぞ」


キラキラと宝石を宿したように目を輝かせる姫乃さん。


女のわたしが見ても、本当に可愛いと思う。

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