お嬢様、今宵は私の腕の中で。
「にゃあ」
「あ、こら!」
ボタンを押すと同時に上手く写り込んだラン。
「駄目って言ったのに」
落胆したわたしの足元に、ランが甘えるように擦り寄ってきた。
「……ラン。もしかして、写りたいの?」
「にゃあ」
まるで返事をするように鳴いたランは、花のとなりにちょこんと座った。
「すずさん。一緒でもいいんじゃないかな。すっごく可愛い」
「もう。しょうがないんだから。ラン、いい子にしててよ。そのままね」
カメラを構えたわたしを見て、ルナも反対側に入る。
「すごくいい!可愛いよ!ランちゃん、ルナちゃん!」
「にゃあ」
「みゃあ」
そうして撮った初めてのアイコンは、
我ながら、最高のものになったと思う。