お嬢様、今宵は私の腕の中で。

「雪乃、ほんとにお嬢様みたい。てか、もはや花嫁様だよ」

「いやね、瑠夏。褒め上手なんだから」

「本当のこと!」



うふふと笑う雪乃さんの前で頭を抱える瑠夏さんに選んだドレスは、青色のタイトドレス。


高身長と長い脚を活かすドレスで、スタイル抜群の瑠夏さんにピッタリのドレスだと心の底から思う。



「瑠夏。せっかくすずさんが選んでくれたんだもの。それにこんな素晴らしいドレス着ること、この先そうそう無いわ。この機会をありがたく思って着ましょう」

「まあ……たしかに、こんなドレス、結婚とかしない限り着ないだろうし」



納得したらしい瑠夏さんは、気持ちを切り替えてピンと背筋を伸ばした。


途端に身体のラインがはっきりして、魅力が何倍にもなる。


やはり大人の魅力を感じさせる体型には少なからず憧れを抱く。


努力の賜物だということは理解していても、つい羨望の眼差しを向けてしまう。

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