お嬢様、今宵は私の腕の中で。
そう思っていても、両親の圧に逆らえるわけがなかった。
結局、13歳の秋には、私はこの家を出て来栖家でお世話になるという話が、あっさり決まってしまったのだ。
それからはずっと涙に暮れる日々だった。
それでも、抗えない運命はどうしようもなく、時は無情にも流れていく。
季節は巡り、告げられてから半年の月日が流れた夏。
半年も経てば、告げられた時ほどのショックはもうなかった。
ただ、仕方ないのだろう、と半ば諦めのような気持ちで、光月と過ごしていた。