お嬢様、今宵は私の腕の中で。
*
「なんか、すごい繋がりじゃない?漫画じゃあるまいし」
「そうなの。本当に偶然が重なっただけなんだよね」
頷いた晶さんは、お姉ちゃんの方を向いた。
「ということは、ひまりさんは九重さんのお兄ちゃんの奥さん、ってことだね」
「そういうこと」
「紛らわし。てか、もうすぐすずも九重になったら、4人で九重じゃん。すご」
紛らわしいよね、わたしも思う。
……って、今なんか聞き捨てならない言葉が聞こえた気がするけれど。
「わたしが九重になるってどういうこと……?」
「ひまりさん。遅くなりましたが、すずの友達の晶です」
わたしの言葉は完全スルーしてお姉ちゃんに頭をさげる晶さん。
お姉ちゃんもにこやかな笑みを浮かべて、同じように頭を下げた。
「九重ひまりです。いつもすずがお世話になっております」
「そんなそんな!お世話になってるのはこっちなので」
笑い合うお姉ちゃんたち。