文字だけの彼女。

戸惑いと期待。

「もしもぬか喜びをさせてしまうと
申し訳ないのですが...

来週の火曜日、家族が用事で夜は１人なので
もしも迷惑じゃなかったら会えませんか？」

LINEを始めてから
セルフィーの写真を何枚も送り合う仲だったが

所詮、一方通行な片想いで
会えたら良いなとは思っては居たけれど...

私から誘って嫌われたくないので
私なりに片思いを温め続けた日々に

彼からの急なお誘いだった。


あまりにも急すぎて...
私はメッセージを見た瞬間に固まってしまったが
会いたい気持ちは抑えられずに

二つ返事で
「嬉しい。空いてます！」
とだけ、メッセージを返した。

人を好きになった事が無い私には
何が本当か嘘か分からない程
浮き足立った日々が続いた。

何故ならば、彼には...
良い友達止まりでも良いと
私の生き様の全てをカミングアウトしていたからだ。

波乱万丈を超えて
生きる事に必死で破天荒な生き様だった私。

それを踏まえた上で、彼からのお誘い。

もう、頭の中は意味がわからなく...
写真でしか見た事の無い彼を好きになって
「会える」が現実になり

浮かれて良いのか
会ってガッカリされるのか
色んな想像が頭の中を駆け巡った。