私の彼氏は幽霊になった。

再会



夢を見た。


目の前には優斗がいて、学校帰りに他愛もない話をしながら歩いてる。


手には確かな温もりがあって、ふと目が合うと笑い合った。


こういう日常は、ついこの間まで当たり前だったのに。凄く昔のことのように感じる。


あぁ私、泣いてるかも。夢で泣くなんて子供の頃以来だなぁ。










「...泣かないで」







涙を拭おうと上げかけた腕が、一瞬で固まった。


そして私の代わりに誰かが...いや、本当は分かってたけど信じられるわけがない。


涙を拭われて、そのまま頬を撫でられる感覚。



「夕夏、怖い夢でも見たの」



優しくて温かくて安心する。


馴染みがあって、一番聞きたかった声。



「大丈夫だよ。俺が夕夏を守るよ」



ねぇ、なんで。まだ夢見てるの?




「優...斗...?」




ゆっくり目を開ける。







そこには、ぱっちりした目を更に大きく見開いた優斗がいた。



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