闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
「なあ、恋華? 十二年ぶりの再会を果たせたこんな素晴らしい夜に、俺は愛しいお前と離れて一人で寝ないとならないのか?」

「それは……ズルイよ」


 そんな言い方をされたら、強く拒めない。

 初恋の人。再会して、また好きになった人。

 そんな人に離れたくないと言われたら、私もだって言ってしまいたくなる。

 私だって、本当は離れたくないと思っているから。

 それでも会ったばかりで……恋人になったばかりでいきなりそういうことをするのは、カラダ目当てみたいになってしまうんじゃないかとか考えてしまったりしたから。

 だから、今日の所は帰ろうとしていたのに……。
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