闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
 色々理由をつけたけれど、結局のところは私も一人になりたくなかった。

 櫂人と一緒にいたいと思っているんだ。

 好きな人に一人にしないで欲しいと言われたら、くっつけただけの理由なんて簡単にはがれてしまった。


「恋華……俺のお姫様。お前の全部が、知りたい」

「櫂人……んっ」


 望みを口にする櫂人に、私も同じ気持ちだと言おうと思った。

 でもすぐに塞がれた唇は言葉を紡ぐのを許してはくれず、キスは深くなるばかり。

 このまま抱かれそうな雰囲気に、私は慌てて櫂人を止めた。


「ちょっ、まって。その前にシャワー浴びたいんだけど」

「……待てない」


 胸を押して離れた私に、不満そうな声が掛かる。
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