闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
「じゃあ先にシャワー浴びて来いよ。俺は片してるから」

「え? 片付けくらいはやるよ。櫂人が先に入って来て?」

「いいって。……それとも」


 ご馳走してもらっておいて片付けも手伝わないなんて、と申し出た私に、櫂人は妖しさを漂わせてニヤリと笑う。


「シャワー、一緒に入るか?」

「ぅえ⁉」


 予想外の言葉に思わず変な声が出た。

 きっと顔も変な表情になってる。

 そんな私を見て、櫂人は「ふはっ」とふき出すように笑った。


「冗談だよ。いいからシャワー行って来いって」

「ううぅ……」


 からかわれただけだったみたいで、恨めしい思いで睨んだ。

 するとまた妖しい笑みを向けられる。


「一緒にだと、我慢出来なくなりそうだからな」

「っ⁉」


 何が、なんて聞かなくても分かった。
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