闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
「じゃ、じゃあお先に失礼するね!」

「ああ、バスルームはそっちだ。着替えになるものはあとで用意しておく」


 苦笑気味に指し示された方へ急いで向かう。

 とにかく恥ずかしくて、今は櫂人に顔を見られないところへ行きたかった。

 バスルームのドアを閉めて、やっと息を吐く。

 でも心臓はまだまだ早鐘を打っていて、完全には落ち着けない。


「抱かれる、んだよね……?」


 食事をして甘い雰囲気がいったん収まったから、この後のことを意識するのをやめていた。

 でも、さっきの櫂人の様子で一気に戻されてしまった。

 もちろん、嫌じゃない。

 好きな人だし、あんなにも求めてくれているから……。
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