闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
***

 怖い話もあったけれど、最終的に甘いだけの雰囲気になった朝食を終えた私はバスルームの方で制服に着替えていた。

 いくら室内とはいえずっと櫂人のTシャツ一枚というわけにはいかない。

 それに今日も泊まるなら着替えは必要だから、一端マンションに戻って取って来ないと。


「んー、やっぱりこの制服はクリーニングに出した方がいいかなぁ?」


 着換えて洗面台の鏡で確認しながら呟いた。

 改めて見るとセーラー服の白い部分が結構汚れている。

 昨日あれだけアスファルトに打ち付けられたんだ、当然か。

 何にせよ今はこれしか着て出る服がない。

 私は諦めて身だしなみの最終チェックをする。

 パタパタと手を動かして、あれ? といつもと違うことに気付いた。
< 155 / 329 >

この作品をシェア

pagetop