闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
 櫂人と一緒に登校出来るのは純粋に嬉しいけれど、学校のみんなに知られたらどうなるか……。

 特に鞄を隠した彼女たちにはまた何かされるかもしれない。

 それを思うとため息が出てしまうけれど、だからといって櫂人とのことをコソコソしたくもなかった。

 負けたくない。

 櫂人は、私の未来なんだから。


 幼い頃の小さな約束が私を繋ぎとめていてくれた。

 ずっと会いたかったと、私が生きていることを喜んでくれた。

 病気のせいでもしものことがあっても、助けてくれると言った。

 そのすべてが、私に未来を見せてくれる。

 だから、弱いままでなんていられない。

 櫂人と一緒にいられるように、私自身も強くなろうと思った。
< 187 / 329 >

この作品をシェア

pagetop