闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
 もうキヨトくんが何を言いたいのか良く分からない。

 キヨトくん本人も混乱しているのかもしれない。


「え? 何々? 片桐さん黒王子とキスしたの?」


 キヨトくんの声を聞いてケンジくんが近付いてきた。

 混乱しているキヨトくんをどうにかしてくれそうな相手にホッとしたけれど、彼の表情はどこか楽しそうだ。


「そうなんだよ! 生徒玄関でイチャイチャしててさぁ!」

「マジで? 休みの間に何があったんだよ、片桐さん?」


 キヨトくんをどうにかしてくれるどころか更に詮索された。


「……はぁ」


 私はため息をついて目の前の二人を落ち着かせることを諦める。

 遠巻きにしているクラスメートも私の答えを待っているみたいだった。
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