闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
***

「保健室、こっちで合ってるよね?」


 朝の宣言でいつも以上に騒がしい教室から逃れて、櫂人に言われた通り昼休みに保健室に向かった。

 こっちの方はあまり人が来ないのか、教室に比べるとかなり静かだ。

 私はまた隠されない様にと持ってきた鞄を持ち直して、保健室と書かれたプレートのドアの前に立つ。

 ドアの前には『職員室にいます』と書かれた札。

 保健室の先生はいないみたいだけれど……。


 コンコン


 一応ノックしてからそっと横開きのドアを開けた。


「櫂人?」


 待ってると言っていたけれど、本当にいるのか分からなくてそっと声を掛ける。

 でも応える声はなくて、私は保健室の中を見回しながら中に入ってドアを閉めた。
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