闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
 私も櫂人を求めるように腕を回そうとしたけれど、その前に体を反転させられてしまう。


「んっ、かいとぉ……」

「恋華……クッソ可愛い……」


 圧し掛かった櫂人は余裕のない顔をしていて、それがまた私をゾクリと震わせる。


「こういう事するために呼んだわけじゃないんだけどな……」

「かい、と?」

「ダメだ、無理。可愛すぎ。我慢なんて出来るわけねぇ」


 夜まで待てねぇよ、と荒く息を吐いて私の首筋に顔を埋めてきた。

 熱い舌が筋を舐めて、ゾクゾクと駆け上がるものに抗えない。


「悪い、恋華……もうちょっと」

「あっ……かい、とぉ……」


「……ごめんね。ここ、ラブホじゃないのよ」

「――っ⁉」


 突然落とされた第三者の声に、私は一気に現実に引き戻された。
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