闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
「ハンター協会ではね、吸血鬼が“唯一”と出会うことを推奨しているの。だってそうでしょう? その“唯一”となった人が血を与えてくれれば、ハンター協会が血液を用意する負担が減るし、何より違反吸血をする吸血鬼が減るでしょうから」

「違反吸血?」


 また新しい単語に質問を返す。

 でもそれには櫂人が答えてくれた。


「相手の許可なく直接首筋から吸血することだよ。吸血鬼とハンター協会で決められたルールの一つだ」

「へぇ……」


 でも確かに本人の許可なく血を吸ったら普通に犯罪っぽいもんね。

 納得していると、久島先生が続きを話してくれた。


「だからハンター協会では“唯一”のことを研究しているの。詳しい関係性はまだ分かってないから、とりあえず協力してくれる“唯一”の人たちから血液サンプルを貰っているのよ。……さ、こっちに来てちょうだい」
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