闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
「だ、だって。これは私自身の問題だし……」


 それに、櫂人のそばにいるのにふさわしいくらい強くなりたいって思ったし……。


「でも、今の話聞く限りだと原因は俺っぽいけど?」

「いや、でも……」

「ちゃんと守らせろよ」

「っ!」


 ぎゅうっと肩を抱く力が強くなり、耳に直接声が届く。

 私の意見は、そんな抱擁と共に押し込められてしまった。


「……ごめん」


 代わりに謝罪の言葉が零れ落ちる。

 守りたいから、守らせて欲しいから、こういうことも黙ってないで言って欲しい。

 そんな気持ちが腕から伝わって来たから……。
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