闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
「そ、《朱闇会》って暴走族の総長。睨まれたくないって思うのが普通だろ?」

「え? じゃあ何で初めは近付いてきたの?」

「それは片桐さんが可愛くてお近付きになりたいからに決まってんだろ?」

「え? あ、ありがとう?」


 突然褒められて戸惑ってしまう。

 でも、そうして男子だけが近付いてきたから女子には更に反感を買ってしまったみたいだし、複雑な気分だ。

 それに、結局は離れて行ったし。


「あとは黒王子とどういう関係なのか知りたかったからってとこかな? で、思った以上に気に入られてるみたいだから近付かない方がいいってみんな判断したわけ」

「そんな……」


 櫂人先輩に送ってもらったというだけでそんなことになるなんて。

 櫂人先輩は好意で送ってくれたんだろうし、彼を恨むつもりはない。

 あんなカッコイイ人と出会えたこと自体は悪い気はしないし。
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