闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
「もちろん俺はそんなこと(はな)から信じてない。“唯一”と出会って勝手にいなくなったかもしれないって話では当時母さんを信じることは出来なかったけどな、流石にヴァンピールを作り出すなんてこと、あの人が出来るとは思えなかった」


 大橋さんの話では、茜渚街に現れる事と近年この辺りで行方不明になった吸血鬼が櫂人のお母さんだけだったからという理由でそう推測されたのだそうだ。

 その程度の理由だったこともあり、櫂人にとっては違うという判断材料になったらしい。


「でもハンター協会からすれば母さんの人となりなんか知ったことじゃないだろうからな。勝手に犯人扱いされてたよ」

「そんな……」
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