闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
 多少は櫂人から聞いたと言っていたし、確認しているだけの質問もありそうだ。

 でも大事なことだと前置きされていたし、私は聞かれたことに次々と答えていく。


 病気が分かったのは両親が亡くなった事故の後、私も重傷だったため治療で入院していたときの検査で分かった、と。

 他にもその診断をしたのは誰なのか、今治療をしてくれているのは誰なのかと問いが続けられていく。


「病気のことを教えてくれたのは後見人で主治医でもある真人さんです。そのまま今も彼に治療をしてもらっています」

「そう……。やっぱりその真人という男性が怪しいわね……」

「え?」


 怪しいって、何が?

 真人さんが不審がられているみたいだというのはその呟きだけで感じ取れた。
< 253 / 329 >

この作品をシェア

pagetop