闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
「賠償真人、お前は……いや、まさか君は――」


 驚きと期待に満ちた声が大橋さんの口からこぼれる。

『恋華さんはどこにいるのって聞いているのよ!』


 真人さんの声と話し方は、まるで女性のものだ。

 何かを確信したように、大橋さんの表情が柔らかくなる。


「ここにいるよ。ああ……やっと会いに来てくれたんだね、真理愛」

「⁉」


 優しく喜びの声を上げた大橋さんは、驚く私のことなんて見もせずに部屋を出て行ってしまった。

 私はテレビドアホンの元まで行って、もう一度画面を見る。

 そこに映っている姿は確かにこの半年共に過ごした真人さんの姿。

 画質は荒いけれど、いつも見ていた姿だ。間違えるはずがない。
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