闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
「なんてことをしてくれたんだ! これでは《相愛の誓い》は出来ないじゃないか!」
そのまま恨み言をぶつぶつと呟いた大橋さんだったけれど、気を取り直したように顔を上げる。
「いや、まだ私の血の結晶はある。それを使って、《血婚の儀式》は出来るはずだ……私と真理愛の繋がりを強くすれば……」
自分に言い聞かせるように呟き、何かを探すように見回す。
もしかしたら、さっき真理愛さんのだけでなく彼の血の結晶も取り落としたのかもしれない。
「……怜伽」
そこに、静かな女性の声がした。
みんなの視線が彼女へと向く。
部屋の入口の方で、久島先生が佇んでいた。
彼女は丁度足元に落ちていた雫型の赤い石――大橋さんの血の結晶を拾い、感情の読めない目をもう一度彼に向ける。
そのまま恨み言をぶつぶつと呟いた大橋さんだったけれど、気を取り直したように顔を上げる。
「いや、まだ私の血の結晶はある。それを使って、《血婚の儀式》は出来るはずだ……私と真理愛の繋がりを強くすれば……」
自分に言い聞かせるように呟き、何かを探すように見回す。
もしかしたら、さっき真理愛さんのだけでなく彼の血の結晶も取り落としたのかもしれない。
「……怜伽」
そこに、静かな女性の声がした。
みんなの視線が彼女へと向く。
部屋の入口の方で、久島先生が佇んでいた。
彼女は丁度足元に落ちていた雫型の赤い石――大橋さんの血の結晶を拾い、感情の読めない目をもう一度彼に向ける。