闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
「見た瞬間私が作ったものだと分かったわ。……私の描く絵は独特だから」
「……」
下手とは言わないけれど、独特という自覚はあったらしい。
「夏になると毎年思い出したように片割れを引っ張り出して、今年こそは会えるかもしれないって浜辺に通い続けていた櫂人を見ていたから……」
「なっ⁉ それは言わなくても!」
慌てる櫂人の耳がちょっと赤くて、二人で少し笑ってしまう。
それが何だか幸せで、ちゃんと全部終わったんだなって実感しながら続きを聞いた。
「とにかくそんな櫂人を見ていたから、恋華さんがあのときの子だって分かって助けるって決めたのよ」
でも、吸血鬼にしてしまうと報告しないわけにはいかない。
でないと真理愛さんだけでなく私まで犯罪者扱いされてしまうからだそうだ。
だから、吸血鬼になる一歩手前で止めた。
「……」
下手とは言わないけれど、独特という自覚はあったらしい。
「夏になると毎年思い出したように片割れを引っ張り出して、今年こそは会えるかもしれないって浜辺に通い続けていた櫂人を見ていたから……」
「なっ⁉ それは言わなくても!」
慌てる櫂人の耳がちょっと赤くて、二人で少し笑ってしまう。
それが何だか幸せで、ちゃんと全部終わったんだなって実感しながら続きを聞いた。
「とにかくそんな櫂人を見ていたから、恋華さんがあのときの子だって分かって助けるって決めたのよ」
でも、吸血鬼にしてしまうと報告しないわけにはいかない。
でないと真理愛さんだけでなく私まで犯罪者扱いされてしまうからだそうだ。
だから、吸血鬼になる一歩手前で止めた。