闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
 それに、例え恋だとしても一方通行の可能性が高い。

 櫂人先輩は親切で送ってくれただけだろうから……。

 それにキヨトくんたちの見方だと私は気に入られているらしいけれど、でもそれだって女の子として気に入られているかどうかは分からない。

 もう一度会ってみれば何か分かるかもしれないけれど、会うわけにはいかないし。

 第一、暴走族の総長なんてしている人だ。毎日学校に来ているのかも怪しい。

 結局、どんなに惹かれていても関わるわけにはいかないし、関われるのかも不明ってところ。


「はぁ……」


 私は色んな意味で諦めのため息を吐いて、校舎へと足を向けたのだった。
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