闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
 女子は無視をする子。

 返そうとしてくれるけれど思いとどまっちゃう子。

 挨拶を返すどころか睨みつけてくる子と様々だった。

 睨みつけて来た子たちは昨日悪口を言っていた子たちでもあったから、あの子たちと仲良くなるのは難しいかもしれない。

 休憩時間を利用して、他の女子たちと少しずつ距離を縮めていこう。

 私はめげずにそう思った。


 ……思った、んだけど。

 その日のお昼休憩が終わるころには、事態はもっと悪くなっていたことを思い知る羽目になった。

***


「え? 私の鞄は?」


 お昼、結局その日のうちに仲良くなれた子はいなくて仕方なく一人でお弁当を食べることにした。

 真人さんが朝早くから作ってくれていたお弁当を居心地の悪い教室で食べたくなくて、天気も良かったから外で食べることにしたんだ。
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