闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
「私の鞄をどこにやったの?」


 もはや笑顔でなんていられない。

 早く返してもらわないと。


「だからぁ、放課後にはちゃんと返すって言ってるじゃない」

「そうそう、盗んだりなんてしないわよ?」


 三人ほどで集まって、クスクスと笑っている。

 私は睨むように彼女たちを見たけれど、その態度が変わることはなかった。


「そんなに睨まないでよ、ちょっとしたお遊びじゃない」

「……本当に、ちゃんと返してくれるのよね? 中身もそのままで」


 彼女たちの言葉を信じるのは危ないと分かってはいたけれど、今どこに私の鞄があるのか分からない。

 彼女たちを怒らせて、大事なものを壊されたりすることだけは避けたかった。
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