闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
***

 ガサゴソと、検討をつけた場所を漁ってみる。

 でも目的のものは見つからなくて、私は何度目とも知れぬため息を吐いた。


「ここでもないか……」


 正直、今何件目なのかも分からない。

 居酒屋とは書いてあるけれど、見た感じからまさに居酒屋! という場所で合っているのか……。

 そういうところだけを見て見逃してしまうのも怖くて、とりあえず飲み屋と思われる場所の裏を全て見て回っている。

 でも、探し方を失敗したかもしれない。

 まだ半分も見て回れていないのに、もう陽が落ちてきているから。


 街は飲食店が多いから、これくらいの時間からが稼ぎ時のはず。

 でも、どうしてか早くも店じまいをするところがちらほら見えはじめた。
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