闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
貝が導く再会
「櫂人、もういいのか?」
「ああ、ここは大橋さんに任せてきた」
裏路地と大通りの境目になる辺りで待っていた湊さんに声を掛けられ、櫂人先輩が答える。
そっか、と軽く受け答えした湊さんは私に目を向けて興味津々といった表情を浮かべた。
「で? その子どうすんの? 櫂人の何?」
「こいつ――恋華は俺の“唯一”だ。さっき血を舐めて分かった」
さっき?
あ、ひじのケガを治してくれたとき?
「え? “唯一”って確か、吸血鬼一人に対してたった一人だけいるっていう特別な存在とかいうやつ? 少量の血で満足できるっていう?」
驚いて確認するように口にした湊さんの言葉は、私への説明にもなった。
「ああ、ここは大橋さんに任せてきた」
裏路地と大通りの境目になる辺りで待っていた湊さんに声を掛けられ、櫂人先輩が答える。
そっか、と軽く受け答えした湊さんは私に目を向けて興味津々といった表情を浮かべた。
「で? その子どうすんの? 櫂人の何?」
「こいつ――恋華は俺の“唯一”だ。さっき血を舐めて分かった」
さっき?
あ、ひじのケガを治してくれたとき?
「え? “唯一”って確か、吸血鬼一人に対してたった一人だけいるっていう特別な存在とかいうやつ? 少量の血で満足できるっていう?」
驚いて確認するように口にした湊さんの言葉は、私への説明にもなった。