それ行け、ぽっくん!!
「じゃあ、塩野、後は頼んだ」

班長が見た方角を見ると。

30歳前後の、ちょっと見た目キツソウな人がボクを見て軽く頭を下げた。

僕も頭を下げる。

「…こっち来て」

塩野さんはそう言ってスタスタと歩きはじめた。

ボクはその後をついて行った。



不機嫌、なんだろうか。

ニコリともしないその人はボク、苦手なタイプ。



「ここが担当する32区。
地名見て、どの辺かわかる?」

塩野さんは地図を広げた。

そして指差す。

「あ、なんとなくわかります」

通っていた高校の近辺だった。

「…そう、なら良かった」

笑いもせず、地図をボクに渡した。

うえぇ…この人、苦手だ、やっぱり
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