それ行け、ぽっくん!!
「今日はオレの後ろについて来て」

塩野さんは手早く準備を始めた。

「人が足らないから書留と通配…普通郵便の事だけど、一緒に行くから。
井上さんは明日から普通郵便の配達だけでいいからね」

ボクは頷いた。

「じゃあ、行こう」



駐輪場で郵便の積み方を教えてもらって、ボクは初めてノークラッチのチェンジ式バイクに乗った。

要はカブやメイトなんだけど。



情けない話。

二輪の免許を持っていても、乗った事がないから全くといっていいほど、乗れていなかった。

前を走る塩野さんのマネをしながら走るので必死。

塩野さんは、尋常じゃないくらい、配達が早くて。

ボク、郵便配ってないのについて行くので精一杯だった。
< 5 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop