それ行け、ぽっくん!!
「井上さん、塩野と一緒じゃなかったの?」

班長が食堂で声をかけてくれた。

「どこかに行っちゃいました」

ハハハ、と力なく笑うと

「アイツは!!初日くらい一緒に飯くらい食ったらいいのに」

と怒って一緒にご飯を食べてくれた。

班長、優しいー!!



「前は何班だったっけ?」

「5班でした」

「そっか、じゃあ住んでる家の近くだったのか」

他愛のない話だけど、おかげで少し緊張が解けてきた。

白髪まじりで背のちっこい(人のコト言えないけど)おっさんは、ボクに色々教えてくれた。

今は一人、病気で休んでいて仕事を回すのが大変らしい。

その人は塩野さんと同い年で、本来ならボクはその人に教えてもらうはずだった。
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