それ行け、ぽっくん!!
「ぽっくん…?」

駅前をフラフラ歩いていたら、後ろから声をかけられた。

振り返ると、塩野さんが驚いた様子で立っていた。

「…こんな所で何してるの?」

「…塩野さんこそ」

「オレは本屋に用事。
…ぽっくん、なんで泣いてるの?
変な奴に追い掛けられでもしたの?」

ボクは塩野さんに言われて、初めて泣いている事に気がついた。

右手で涙を拭く。

「…ここじゃ、なんだから家に来る?」

塩野さんの言葉に頷いた。
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