初恋の記憶〜専務、そろそろその溺愛をやめてくださいっ!〜
ーーーそれからわたし達は沢山のことを話した。
自分の事、家庭環境の事、学校の事や友達の事、趣味の話まで日が暮れるまで延々と。
主にわたしがかがみさんに話を聞いてもらっていた。
特に趣味の事は子供の話だと今まで周りの大人からはウザがられてきたのに、かがみさんは終始感心しながら熱心に耳を傾けてくれた。
「へぇ。その歳でウェブデザイナーになるのが夢なんて凄いな」
「夢は夢のまま終わりそうなんだけどね…」
「どうして?」
「ママが、わたしには早く結婚して家庭に入って欲しいって言ってて。自分が仕事で苦労しているからさ、わたしにはその苦労を味合わせたくないって」
「なるほどね。じゃあみなみちゃん、俺のお嫁さんになる?」
「へっ!?」
ビックリし過ぎて思わず声が裏返ってしまった。
「でっ、でででででもわたしっ、まだ小学生だしっ!!」
「ハハッ、別に今すぐじゃないよ。…そうだなぁ、例えば今から12年後なんてどう?」