初恋の記憶〜専務、そろそろその溺愛をやめてくださいっ!〜

「12年後…?」

その時わたしは22歳かぁ。。

「12年後の今日。8月23日に俺はここで君を待つ。そして君が来てくれたなら俺はみなみちゃん、君にプロポーズすると約束するよ」

「…っ、」

言葉が出なかった。だって、プロポーズとか言われたって…!

「君はこれから恋愛が楽しくなる時期を迎える。その頃には俺の事なんて忘れているかも知れない」

「でもっ!じゃあ…っ」

「みなみちゃん。手を出して」

「て…?」

何の警戒もなくただ不思議に思いながら右手を差し出した。

するとかがみさんはクスリと小さく笑うとわたしの小さな手のひらにコロンとした物を握らせた。

「これはお守りだよ。困った時はこれを身に付けるときっと誰かがみなみちゃんのこと助けてくれるよ。勿論、俺も全力でみなみちゃんを助けると約束しよう」

「かがみさん、どっか行っちゃうの?もうこうやって沢山お話し出来ないの?」

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