初恋の記憶〜専務、そろそろその溺愛をやめてくださいっ!〜
2.


「…はぁ。やっちゃった」

公園の時計をチラリと見上げれば午前10時半を過ぎていた。完全なる遅刻だ。

昨夜は何だかとても幸せな夢を見た気がして、もっと続きが見たくて夢に浸っていたらまんまと…と、言うわけだ。

ここまでの遅刻だともう学校に行く気も失せて、いつもの公園で堂々とサボってしまっている。

きっと今ごろ紗枝おばちゃんのところに学校から連絡が行っているに違いない。

帰ったら大目玉だな…。そう思うと気が重いけれど「まぁいっか」と開き直って誰もいない公園のブランコを思いっ切り漕いでいると、

「そこの小学生っ!こんな所で何をしているっ!!」

「っ!?」

男の人の大きな声が聞こえて、わたしは驚きのあまりブランコから落ちそうになった。

何とか体勢を持ち直して声のしたほうを恐る恐る見ると、そこに立っていたのはーー、

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