初恋の記憶〜専務、そろそろその溺愛をやめてくださいっ!〜
「あ、じゃあ昨日って…」
「じいちゃんとお別れしてきた日だった」
「そ、っか…」
「俺、ガキの頃からスゲェじいちゃん子だったんだよね。だからマジ辛かった。この世でこんなに辛いことなんてないってくらいに…」
「…また、会えるよ、いつか。その為に生まれ変わりってあると思うし」
「…生まれ変わり、か」
「わたしのパパ…、お父さんも死んじゃったんだ。わたしまだ小さかった頃だけど、それでも凄く悲しくてたくさん泣いた。でも、またいつかどこかできっと出会える。そう信じる事にしたら少しだけ元気になれたんだ。あっ、変な宗教とかじゃないからねっ?」
わたしの必死さが可笑しかったのか、お兄さんは堪らずといった感じで吹き出して、
「君、考え方大人っぽ過ぎっ!」
ゲラゲラ笑った。