初恋の記憶〜専務、そろそろその溺愛をやめてくださいっ!〜
「あー笑った笑った!こんなに笑ったの久しぶりっ」
笑われた事がとても不本意だったけれど、お兄さんのスカッとした笑顔を見ていたらそんなことはどうでもよくなってしまった。
「君、名前は?」
「…みなみ。井上みなみ」
知らない人から名前を聞かれても絶対に教えちゃダメって、ママからも学校の先生からもうるさく言われている。
けれど、このお兄さんは絶対大丈夫って、なんか確信めいたものを感じた。
「みなみちゃんか。俺は各務 雄一(かがみ ゆういち)って言うんだ。よろしく」
「う、うん。よろしく」