100回生贄として殺されたので101回目の転生では幸福な人生を願って令嬢になったけれど何故か元凶が偏愛してくる
「しばらく時間はかかるかもしれんがあいつが何とかする。
それでどうだ」
「ハーディス含め、皆戻るのね?」
「ハーディスは戻らぬ。元々我の器であった故」
「ならハーディスはどこに」
ハデスは私の手を取って、自分の胸に当てる。
「ここにいる。
あの男は今までのことをずっと聞いている。
それでこそ、愛するティアナ様です、と」
一瞬ハデスの顔がハーディスと重なる。
声もハーディスのものに聞こえた。
最後私が思い浮かべた人はここにいるのなら。
「ハーディス、愛しているわ」
手を胸から外し、頬に伸ばす。
そして、そっとキスをした。
離れた顔を見れば、私の見知った執事の顔。
その顔は初めて見る、照れくさそうな表情だった。
「私も愛しています、ティアナ」