100回生贄として殺されたので101回目の転生では幸福な人生を願って令嬢になったけれど何故か元凶が偏愛してくる
父の厳しい表情に自分の身勝手な状況を知る。
ずっと二人を私の我が侭で待たせてしまった。
恐らく記憶の無かった頃の自分が、どうせ今回も16歳まで生きられないと本能でわかっていたのかもしれない。
「申し訳ありません。私の我が侭に付き合わせてしまって。
どうか一年と言わず、心に決めた女性が出来ましたらどうぞその方を大切にして下さい」
申し訳ない気持ちになって頭を下げると、ディオンが待って、と声をかけてきた。
「何か勘違いしているようだけど、僕は自分の意思でそうしているんだよ?
子供の頃からずっと思ってきたんだ、一年いやもっとかかっても問題ない。
そんなことをティアナが気にしなくて良いんだ。
ティアナはゆっくり僕を選んでくれれば良いから」
「俺も別に時間を区切る必要は無いと思っています。
貴女が貴女らしく生きられるのならそれを優先したいし、そんな貴女にずっと側にいて欲しい。そう願っているだけです」
二人の熱いまなざしとアプローチに思わず顔が火照って、頬に手を当て俯く。
やはり今度の転生は願ったとおりドキドキラブラブな展開。
女の子として幸せな人生を送り出しているのだろう。
「喜ばしいですねティアナ様。今までの苦労が報われるようで」
こっそり後ろから私に声をかけたハーディスをぎろりと睨む。
私の今までを知っていてわざとそんな言い方をするとは。
「さすがにもう遅い。
お二人には申し訳ないが今宵はこれまでにしよう。
また後日ゆっくりと」
父親がそう言うと、ディオンとカール様は席を立ち立ち上がった私の前に来た。
まずはディオンが私の目の前に立つ。