100回生贄として殺されたので101回目の転生では幸福な人生を願って令嬢になったけれど何故か元凶が偏愛してくる
「近いうちに出かけよう。街に出かけたいと言っていたでしょ?
そして改めて誕生日おめでとう。
気に入ってくれると良いけど」
ディオンがくれたプレゼントを開けると、それは青い宝石の入った可愛らしいイヤリングだった。
可愛らしいのは似合わないという私に、いつもディオンはそんなこと無いよと言ってくれる。
実は可愛いものが好きなことを彼は知っているからこういうプレゼントにしたのだろう。
「ありがとうディオン。とても可愛いわ。
これをつけて一緒に出かけるのを楽しみにしてる」
ディオンは嬉しそうに笑みを浮かべ、いつものように私を軽く抱きしめた。
不思議とディオンに抱きしめられるととても安心できる。
「遠乗りしていた時に素晴らしい風景の場所を見つけたのです。
今度そこへお連れしたいと思います。
そして俺からはこれを。
こういうのを選び慣れてないので申し訳ない。
誕生日おめでとう、ティアナ嬢」
不安そうにカール様から渡された箱を開けると、やはり青い宝石が埋め込まれたシンプルな髪飾り。
シンプルだが細工が素晴らしく、とても高価な物だとわかる。
これを彼が悩んで選んでくれたのかと思うととても嬉しい。
「上品で素敵な髪飾りをありがとうございます。
遠乗り楽しみです。カール様の愛馬にも会いたいですし」
カール様は目を泳がせながら、あいつも喜びますと言い、そして彼は表情を引き締めると私の手を取ってキスをした。
一見無愛想にも見える彼の、こういうスキンシップは未だに恥ずかしさが襲ってくる。