100回生贄として殺されたので101回目の転生では幸福な人生を願って令嬢になったけれど何故か元凶が偏愛してくる
二人を見送ってようやく私は部屋に戻って来られた。
思わず大きな息を吐くと、私のドレスを脱がしているハーディスが軽く笑う。
「素敵な誕生日パーティーでしたね」
「えぇ」
私にとって100回転生をし、初めて101回目で迎えた16歳の誕生日。
それはあっという間で楽しくて、そして素敵な男性達に熱いアプローチをもらって。
朝今まで生贄として過ごしていた記憶を思い出したせいか、今経験していることは夢なのではと思ってしまう。
「二人も素晴らしい交際希望のお相手ですし、これから一年忙しくなりますね」
「本当に夢みたいな話よ。
今度は恋も、そしていずれ家庭を持つことも出来るんだから」
感慨深くなっているうちに、既に服はほとんど脱がされている。
何というか令嬢のドレス脱がし大会なんてあったら優勝しそうなほど見事な手早さだ。
「メイド達が湯船にお湯を溜めています。どうぞごゆっくり。
特に先ほど男達に触られた部分は念入りに汚れを落とされますよう」
笑顔でさっきまで褒めていた彼らにとんでもない言いようだ。
無視して大好きなお風呂へ移動しようとしたとき思い出した。
「ねぇ、例の三人目、本当に知らないの?」
私の問いに、ふとハーディスの口の端が上がる。
なんだろう、何か私は間違えた?
「・・・・・・お知りになりたいのですか」
「いやその口調じゃ知ってるって自白してるんだけど」
何故か一歩こちらに踏み出したハーディスに、思わず足が下がる。
化粧台に背中がぶつかり、慌てて動こうとして体勢が崩れたのをすかさずハーディスが私を抱き留めた。