100回生贄として殺されたので101回目の転生では幸福な人生を願って令嬢になったけれど何故か元凶が偏愛してくる

「いずれそれはお話しすることになるでしょう。どうか今はご容赦を」

こうなるとハーディスはのらりくらりして話すことは絶対に無い。
私はため息をついて次の質問に移る。

「じゃあ次。
私の交際希望の相手だってのは本当なの?
この事をお父様は知っているの?

そして一番の問題はここ。
王子だなんて言ったけど本当なんでしょうね、この国に第四王子がいたなんてそもそも初耳だわ。
それに王子がうちの執事をしてるなんておかしいでしょう。
何故そんな嘘をつくの?」

「嘘では無く全て事実です。
順番に答えますのでそのように睨まないで下さい。
興奮して抱きしめたくなるので」

「そんな嬉しそうに言わないで、さっさと吐きなさい」

お嬢様に罵られるのもご褒美です、とハーディスは微笑む。
無駄に綺麗な顔をしているからやはり腹が立つ。

「ティアナ様に私が交際を申し込みたいと思っていることは、もちろんアイオライト公爵ご夫妻はご存じです。

ティアナ様は覚えていないでしょうが、幼い頃私達は城で会っているのですよ」

「城?それは家に来る前って事よね」

「えぇ。まずは私の生い立ちについて話をしましょうか。
国王はいえ当時はまだ王太子でしたが、地方へ視察に出かけたときに貧しい貴族の娘に一目惚れし一夜限りの時間を共にしました。その娘が母です。
母を城に連れて行こうと国王はしましたが、病弱な家族を置いていくことは出来ずに断りました。
その後人知れず私が生まれましたのです。

貧しい母の家を支えるために支援していた国王はそれを知り、再度母と私を城に迎えようとしましたが拒否。
結局母達が病で亡くなり、まだ幼かった私は城に連れてこられました。
別に嫌がらせに遭ったわけではありませんが、私の存在はあまりよく思われてはいなかった。
そんな中で過ごしていて、城に来ていたアイオライト公爵に抱きかかえられたまだ一歳だったティアナ様と出会った瞬間、思い出したのです、自分が何者かを」

優しげに話すハーディス。
ハーディスの両親の話は父親から両親がいないので引き取ったと聞いていた。
だがまさかそんな話があったとは。
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