100回生贄として殺されたので101回目の転生では幸福な人生を願って令嬢になったけれど何故か元凶が偏愛してくる

「ん、ちょっと待って。
転生じゃ無いって言ったわよね、でも思い出したって事は私と同じ状態でしょ?」

「いえ違います。
私という入れ物に鍵が刺さって本来の姿になったというか。
理想であれば貴方の鍵穴の鍵に私はなりたかった」

何それよくわからないと言うと、その前に通じていないですね私の話、と悲しげに言われた。
いやわかっている多分良くない話だ。

段々朝からの事が再度脳内に押し寄せて思わず頭を抱える。

「ティアナ様?!」

何だか色々ありすぎて頭痛がしてきているが、全て今はっきりさせたいと思う気持ちと疲れに頭が動かない。

気がつくと大きな腕が私を抱き上げていた。

「もう寝ましょう」

「だけど」

ベッドに優しく寝かされ、布団を掛けられる。
自分を包み込むように沈むベッドで、気を抜くとあっという間に眠ってしまいそうだ。

「私は貴女の側にいるためにいるのです。
消えたりはしません。
まずはゆっくり寝て下さい」

優しく髪を撫でられ、心地良い低い声が私を眠りへと誘う。

「約束よ」

そう声を出すのが精一杯で、閉じそうな私の目には今日一番優しそうなハーディスの顔が見えた気がした。

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