100回生贄として殺されたので101回目の転生では幸福な人生を願って令嬢になったけれど何故か元凶が偏愛してくる
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白い世界。
目を開けているはずだが目はわからない。
ここは覚えがある。
そう、100回殺された後に連れてこられた場所だ。
「あー、その、お疲れさまでした?」
言いにくそうな声が最後疑問形で終わる。
やはり声の主はわからない。
「私、死んだのね」
「本来101回目の転生はもっと長く生きられるはずだったんですが、元凶がより元凶になったと言いましょうか」
「歯切れが悪いけど、例のハーディスの中の人のこと?」
「いや中の人って訳じゃ無いんですが、何と言いましょうか男女関係のトラブルに巻き込まれた?みたいな?」
「巻き込まれたのは私なのね」
「えーまーそういう訳でこちらにいるわけですよ」
男女関係のトラブルって何だ。
あの城で会った私を100回生贄とさせた元凶が何かしでかした訳か。
相手が神となればもうこちらはどうしようもない。
そもそも101回目の転生は終わってしまったのだから。
「結局101回目の転生は16歳にはなれたけど17歳にはなれなかった訳だ。
そして私はどうなるんだっけ?もう好きにしたら良いわ」
見えない相手は自分たちに非があると思っているのかは知らないが沈黙している。
黙ったままの状態に私が痺れを切らした。
「この後どこに行くの?!早くやってちょうだい!!」
大きな声に、見えない相手が、すみません、と小さな声で言ったのは聞こえた。