海とキミのオムライス
7キミのオムライス
新しい週は毎晩、スマホとにらめっこする日々だった。
LINEの画面タイトルには“風太”。
毎日メッセージを送ろうと思うのに、送れずにいた。
木曜日になり、やっとの思いで入力した。
消したくなる衝動にかられる前に、勢いで送信する。
“土曜日にハレルヤへ行きます”
既読はつかなかったけれど、きっと伝わってる…そう信じた。
いつも通りに仕事を終えて、帰宅した。
仕事中、心はソワソワとしていたけれど、何故か冷静な自分も居て仕事はつつがなく終えられた。
風太に恥じない自分で居たい、その思いが強かったからかもしれない。
クローゼットをにらみ、服を出して鏡の前で合わせては床に投げてを繰り返した。
ようやく少しひらりとした袖のブラウスと膝丈のスカートを選んだ。
今の私が好きな服。
今の私が私を好きだと思える服。
自信がなくても、怖くても、瀬良くんに言うことは言えたのだ。
風太にだって伝えられるはず。
ちゃんと断ったって言おう。
それで、風太が好きだって言おう。

嫌われたのかもしれない。
もうあの笑顔を向けてもらえることはないのかもしれない。
そうだとしても、何もする前から諦めたくはなかった。
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