海とキミのオムライス
離れていこうとした風太の手を今度は私がぎゅっと握る。
「瀬良くんにはちゃんと断った」
「え?」
二人共ぽかんとした顔で私を見つめてくる。
そんなにおかしいことを言っただろうかと不安になる。
確かに、瀬良くんのことが好きで好きでしょうがなかったのは本当だ。
でも、部屋中の物を処分して、ベッドまで買い替えて決別したのだ。
季節は巡っている。
(復縁メールに心が震えたのは、本当だけど……)
それでも。
新しい幸せは風太と共にありたい。
そう思った。
そのままそれを告げる。
「私は、私の幸せは、風太と一緒に居ることだよ」
え?え?と驚き顔の風太は真っ赤になってしまった。
「聞いてないよ、葵さんっ」
「今初めて言ったからね」
健吾さんは二人の脇でほうほうと、穏やかな表情で成り行きを見守っている。
「これからも、よろしくね」
両手で風太の手を握ると、手をぱっとはなされた。
とまどった瞬間、私は風太に抱きしめられた。
「葵さん、大好きっ」
少し背の高い風太の背中に手を回しながら幸せを噛みしめた。
その体の影から見えたのは、きっと君の作ったオムライス。
「瀬良くんにはちゃんと断った」
「え?」
二人共ぽかんとした顔で私を見つめてくる。
そんなにおかしいことを言っただろうかと不安になる。
確かに、瀬良くんのことが好きで好きでしょうがなかったのは本当だ。
でも、部屋中の物を処分して、ベッドまで買い替えて決別したのだ。
季節は巡っている。
(復縁メールに心が震えたのは、本当だけど……)
それでも。
新しい幸せは風太と共にありたい。
そう思った。
そのままそれを告げる。
「私は、私の幸せは、風太と一緒に居ることだよ」
え?え?と驚き顔の風太は真っ赤になってしまった。
「聞いてないよ、葵さんっ」
「今初めて言ったからね」
健吾さんは二人の脇でほうほうと、穏やかな表情で成り行きを見守っている。
「これからも、よろしくね」
両手で風太の手を握ると、手をぱっとはなされた。
とまどった瞬間、私は風太に抱きしめられた。
「葵さん、大好きっ」
少し背の高い風太の背中に手を回しながら幸せを噛みしめた。
その体の影から見えたのは、きっと君の作ったオムライス。