海とキミのオムライス
2 オムライス
1階はほぼ店舗らしく、生活をする設備は2階にあった。
昭和を思わせるタイルのレトロなお風呂でさっと海水を流して、借りたスウェットに着替える。
手早くドライヤーをかけると髪にふわっと空気が入り、少しだけ気分が上向いた気がした。
洗面所のドアを開けると、仏頂面の風太が待っていた。
「着替え、大きいな」
「洋服、洗濯するよ。帰れないだろ」
そう早口で言って、洗濯機に海水まみれのスカートたちを放り込む。
下着まで海水の犠牲にならなかったのは不幸中の幸いだ。
「悪かったな、勘違いして」
「いいですよ。私も、助かりました」
「荷物はその部屋に置いてあるから」
そう言って、ドアの隙間から畳がのぞく部屋を指さした。
ドアを開けて自分の鞄を確認しようとすると、トントントンと階段を降りる音がした。
そして、もう一度上ってくる音がする。
「オレ、風太。風太って呼んで、アオイさん」
それだけ言うと、今度は本当に階段を降りていった。
昭和を思わせるタイルのレトロなお風呂でさっと海水を流して、借りたスウェットに着替える。
手早くドライヤーをかけると髪にふわっと空気が入り、少しだけ気分が上向いた気がした。
洗面所のドアを開けると、仏頂面の風太が待っていた。
「着替え、大きいな」
「洋服、洗濯するよ。帰れないだろ」
そう早口で言って、洗濯機に海水まみれのスカートたちを放り込む。
下着まで海水の犠牲にならなかったのは不幸中の幸いだ。
「悪かったな、勘違いして」
「いいですよ。私も、助かりました」
「荷物はその部屋に置いてあるから」
そう言って、ドアの隙間から畳がのぞく部屋を指さした。
ドアを開けて自分の鞄を確認しようとすると、トントントンと階段を降りる音がした。
そして、もう一度上ってくる音がする。
「オレ、風太。風太って呼んで、アオイさん」
それだけ言うと、今度は本当に階段を降りていった。