彩りの日々
「ガキ扱いっていうか、未成年なのは事実なんだよ」

周りの大人に一人前に扱ってもらえないように感じることは私もしょうちゃんくらいの年の時にはよくあった。

侮られているわけではない。誰が悪いわけでもない。

ただそういう年齢なのだという事実。

そういう風によくうちの父母に言われていたから私には周りの大人に反抗するという反抗期もあまりなかったような気がする。

今自分はみんなが通る道の途中なだけ。

そんな風に思ってしまうと案外まあいいかという風になる。



「今すぐ大人になりたい」

「? そんなに急いでも良い事はなにもないような気がするけどなあ。それに来年には嫌でも立派な成人だよ」

「……そういうことじゃねえんだよ」

「? どういうこと?」


会話の噛み合わない私に「もういい」としょうちゃんは余計に拗ねてそっぽを向いてしまう。

こういうところが子供っぽいとはさすがに私も言わないでおいたけれど。



せっせと自分もちゃんと片づけを始めたのでよしよしと思いながら私も再び作業の手を動かした。
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