彩りの日々
買い物帰りに突如としてやってきた激しい雷雨。

駅前のスーパーからは私の家のほうが近い。

急いで走って私の家に帰ったが、たった数分の間でバケツを頭から被ったように二人でびしょ濡れになってしまった。

「わ~びしょびしょ! 天気予報では今日晴れだったのに~」

急いでバスタオルをしょうちゃんに渡し、私もタオルで体を拭いながら冷蔵庫に買ったばかりの食材を放り込む。

「しょうちゃんシャワー浴びておいでよ。なんかテキトーにTシャツとか用意しとくからさ」

「いや、お前先入れよ」

少し困ったように視線を彷徨わせ、こちらを見ようとしないしょうちゃんの顔が少し赤くなっている。

「私は後でいいよ。体だけは頑丈だし。それよりしょうちゃんちゃんが風邪引いちゃったら大変だし……」

「いや、その、……目のやり場に、困る……から……」

「へ?」

あくまで目を合わせないしょうちゃんに、意味を理解しなかった私だったが、すぐにその意味に気が付いた。

雨でぐっしょりと濡れたTシャツは肌にぴったりと張り付いて私の下着の形も色もわかるほど透けてしまっている。

「わ、わ!?……ご、ごごご、ごめんね!! お見苦しいものをお見せしました!!」

肩にかけたバスタオルで私は慌てて胸元を隠す。

これは立派なセクハラというものだろうか。
若い男の子にこんな姿を晒してしまうとは不覚。
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